貧困対策はどこに向かうのか ~貧困の連鎖を止める~ 

2017年10月24日 23時29分 | カテゴリー: 介護・福祉・医療, 子ども・教育, 活動報告

8月25日~26日、第9回生活保護問題議員研修会が長野市で開催されました。
そこでの情報と課題提起を報告します。

メディアから読み取る「生活保護と子どもの貧困」
 芸人の母親の生活保護受給問題や小田原市役所のジャンパー事件など生活保護についての報道が紙面やネット上でも話題に多く上がるようになりました。しかし、その報道の中には意図せずして生活保護制度への誤解を広めているケースが見うけられます。
 NHKがニュースで取り上げた「貧困女子高生」では、放映された自室に対し、「貧しくない」とバッシングや誤報道が相次ぎました。貧困の報道はエスカレートし正しい報道よりも歪められた貧困ネタと呼ばれる記事が出回るようになり更に誤解を生んでいます。

生活保護世帯実態調査から見える現実

しかし、長野民医連生活保護世帯調査によると生活保護受給者は十分な食事さえ摂れているとは言い難い状況です。また、費用面の負担が重い冠婚葬祭や近所付き合いが制限されている人が多く、憲法でも保障されている健康で文化的な生活をおくる「生きる権利」が守られているか疑問です。
親の働き方、経済格差が子どもの健康格差をもたらしています。慢性疾患を抱えた子どもの定期受診を中断する、あるいは重病になるまで受診させないなどの親の課題があることが分かりました。その原因の一つとしてダブルワークなどによる時間の無さや医療費が重くのしかかっているようです。

子どもの貧困の対策を地域で

子どもの貧困問題に対し、子ども食堂や学習支援といった取り組みが広がっています。しかし、本当に貧困状態にある子供たちは子ども食堂での数百円の負担もできません。学校や各地の居場所にも行けない子ども達をどうやって救っていくのか。
 子どもの貧困=親の貧困です。日本など先進国では物質的・金銭的な欠如だけが問題ではなく、その国で当たり前とされている生活がままならない状態「相対的貧困」が深刻化しています。また親自身も幼少時代の貧困状態や虐待、結婚してからのDVなどにより、人を信用できず「助けて」とSOSがだせないまま負の連鎖を断ち切れず次の世代へと引き継がれてしまうことが多いのです。貧困や暴力の連鎖を断ち切るためにも、子ども時代に人や社会を信じSOSを出せる人へ、育てていく必要があります。
 そして、生活保護世帯の子どもたちの高校・大学への進学率は一般世帯と比べて低くなっています。本人に能力や意思があっても貧困が原因で大学進学をあきらめる人が多いのです。
 奨学金の返還について諸外国にみられるように所得が低い場合は返還免除や所得に応じて返済額を決めるなど柔軟な対策が必要です。